ガウディ建築カサバトリョ
~ジブラルタルを超えて・スペイン編Vol.08

ガウディ建築三昧の旅

アントニオガウディのサグラダファミリアには少しがっかりしてしまった私。
でも、まだまだ見たい建物はたくさんあります。
バルセロナにあるガウディ建築を何か所ピックアップして見学に向かいます。

グエル邸

グエル邸

サグラダファミリアを見学した後、向かったのはグエル邸。
こちらもアントニオガウディの設計した建物なのですが、地図を頭の中にインプットしたはずなのに・・・
見当たりません。

ガウディ建築なら一目見てわかると思っていたのですが。。。
なんと、修復中でシートがかぶっていたんですね。
ひょっこりと屋根にトウモロコシの様なものが。

グエル邸

残念。
修復中かもとは情報があったものの、まさか外観も全く見えないなんて。
なくなく門のファサードだけを見て帰ることに。

カサ・バトリョ

カサバトリョ

こちらはアントニオ・ガウディの代表作カサ・バトリョです。
小屋裏にドラゴンが住んでいるかのようなデザインでモザイクタイルの使い方が実に見事で、まるで建物が生きているようです。

この建物は、5階建ての建物をガウディがフルリノベーションした建物。
1階は店舗で2階を施主のバトリョ氏が利用し、3~5階を家族の住居、賃貸として利用されていました。

そして、2002年から建物の内部が一般公開されるようになりました!
入場料16.5ユーロ(2500円)はちょっと高いですが、日本語のオーディオも貸し出していただけるので、ゆっくり解説を聞きながら鑑賞することが出来ます。
※2007年の情報です

チケットを購入するのに30分ほど掛かりましたが・・・
外観などディテールを眺めているうちにあっという間に順番が来ました。
エントランスをくぐり、始めの扉を開けると!

カサバトリョ

目の前には熱で溶け出したような歪んだ空間が出現。
まるで、ドラゴンの胎内の様。
階段のササラが竜の背骨の様にも見えます。

カサバトリョ

竜の背骨を登り振り返るとこんな感じです。
ここが竜の胎内だとしたらあそこは・・・とかちょっと考えながら観察。

カサバトリョ

ここは暖炉の間。
キノコの様な形で可愛いですよね。

カサバトリョ

ただ奇抜なデザインというわけでなく、きちんと機能性も考えられています。
これはドアの脇にあった換気用のガラリ。
ここを開け閉めして換気調整が出来る様になっています。

カサバトリョ

また、各室を繋ぐドアの上にはこのようなステンドグラスの欄間が取り付けられています。
換気の事だけでなく採光にも気を使っていることが伺えます。

カサバトリョ

グラシア通りに面したメインの居間はご覧の様なデザイン。
天井からうねるように突き出た照明。
ホイップクリームの様ですね。

カサバトリョ

採光・換気用の小窓。
スペインの巨匠ダリの絵に出てきそうなデザインですね。
北欧デザインの鏡にも似たようなものがありますね。

カサバトリョ

裏庭に面するダイニングルーム。
テラスに出る出口にの前に明らかに邪魔な柱が2本。
一体何のため?

カサバトリョ

小屋裏の回廊。
高窓からこぼれる光。
背骨の様なデザインが作り出す陰影は格別。

カサバトリョ

小屋裏部屋。
独特なデザインでとても素敵です。

カサバトリョの床

ガウディ作品に共通して言えるのですがこういった床材のデザインが素晴らしいですね。

カサバトリョ

屋上に続く階段。
こじんまりとした螺旋階段が可愛らしいです。

カサバトリョ

屋上にはガウディの独特の換気口が。
ドラゴンのシッポ?手?の様なデザインで、建物以上に力が入っている気がします(笑)

また、グラシア通り側のドラゴンの鱗を間近で眺める事も出来ます。
廃材タイルを利用した美しい色彩で是非見てもらいたいポイント。

バルセロナの街並み

屋上からは、サンティアゴ・カラトラヴァのモンジュイック・タワーが見える。
バルセロナオリンピックの時代に造られた近代建築の並ぶモンジュイックの丘。

カサバトリョ

帰りはエレベーターで中庭を通って降ります。
中庭は薄いブルーのグラデーションタイル。
階段のガラス手摺はなみなみでブルーのタイルが映り込み、海の中を散歩しているかの様な気分になります。
自分が歩くと光が変化して綺麗に揺らめくんです。

カサバトリョのエレベーター

さて、今度こそエレベーターに乗ってカサバトリョを後にします。
サグラダ・ファミリアに対し酷評だった私ですが・・・
このカサ・バトリョには恐れ入りました。
ほ~~~んとうに素晴らしいです!

扉をくぐる度に全く違う空間が出現し驚かされる。
そして、今まで見たことのない曲線を多用した室内。
家の図面を書いている者にとっては驚きの連続、図面で意思を伝えるというやり取りの弊害を改めて感じました。
図面を書くばっかりに四角い家になってしまうし、特に壁は垂直になりがち。
グリッド(通り芯)を基準に間取りを考えてしまう発想こそが建築家の発想を窮屈にさせてしまっているのかもしれませんね。

ガウディの思想・手法はそう簡単には真似できないけど、いつかはこういった要素をもった家を建ててみたいものですね。
しかし、それには莫大な労力とお金が必要で・・・
グエルさんみたいなパトロンがいないと難しいんですよね。

この記事を始めて書いた時から10年以上経っていますがいまだに成し遂げられていません(笑)
チャンスがあればチャレンジしたいものです。


※この記事は2006年12月~2007年1月の旅行記です。記事の中身は当時のもですので最新の情報をお確かめください。
引き続き下記のリストを選んで旅行をお楽しみいただけます。


  1. 目次~ジブラルタルを超えて「イスラム文化・建築を訪ねる旅」~モロッコ編
  2. 目次~ジブラルタルを超えて「イスラム文化・建築を訪ねる旅」~スペイン編
  3. ジブラルタル海峡の拠点アルヘシラス
  4. 燃える大地・城塞都市ロンダ
  5. ロンダおかわりヌエボ橋
  6. イスラムとキリスト文化の融合~コルドバ・メスキータ
  7. アンダルシア年越しフラメンコ
  8. チョコレートの様なアルハンブラ宮殿
  9. 建築家を志すきっかけとなったサグラダファミリア
  10. ◆ガウディ建築カサバトリョ
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